東大卒タレントを生け贄に「たかが東大」「上から目線」と真っ昼間から放映された『バイキング』の“差別ショー”

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 4月12日に行われた東京大学入学式での上野千鶴子同大名誉教授の祝辞が話題となった、3日後の15日、バラエティ番組『バイキング』(フジテレビ系)が取り上げた内容に、批判が集まっています。

題して、<東大入学式で驚きの祝辞「性差別の横行、東大も例外ではない」真意は>との特集。同番組は、上野さんが祝辞で発した、
<大学に入る時点ですでに隠れた性差別は始まっています。社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています>
まさにその“差別”の実態を、お茶の間のみなさんに生放送で見せてくれるという、画期的な試みをしてくれたのです。

この日の出演者はMCの坂上忍さんほか、榎並大二郎さん(フジテレビ)、ブラックマヨネーズ小杉竜一さんと吉田敬さん、東国原英夫さん、野々村真さん、野々村友紀子さん。そして識者席には東大出身者として芸人の石井てる美さん、タレントの木村美紀さんが出演し、タレントの八田亜矢子さんがコメントを提供しました。

番組を詳しく振り返ってみましょう。
まずは、東大入学式が行われた12日の東京・日本武道館前で男子新入生数人にマイクを向け、入学に際するコメントをもらっていました。そしていざ入学式、登壇した上野さんが祝辞を述べます。

<ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。その選抜試験が公平なものであることを疑っておられないと思います。もし不公正であれば怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることがわかりました>

4年制大学進学率そのものに性別によるギャップがあります。2016年度学校基本調査によれば、4年制大学進学率は、男子が55.6%、女子48.2%と、7ポイントの差があります。この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える、親の性差別的な教育投資の結果です。東京大学入学者の女性比率は長きにわたって「2割の壁」を超えません>

このあたりで、ワイプの坂上さんが白い歯を見せて笑います。

<今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました>

<東大に頑張って進学した男女学生を待っているのはどんな環境でしょうか。他大学との合コン、合同コンパですね。で、東大男子はモテます。(会場から笑い)東大女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と聞かれたら、「東京、の、大学…」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」と答えると引かれるからだそうです。なぜ男子学生は東大生であることに誇りが持てるのに、女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。なぜなら、男性の価値と成績の良さは一致しているのに、女性の価値と成績の良さとの間にはねじれがあるからです。女子は子供のときから「かわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどういう価値でしょうか? 「愛される」「選ばれる」「守ってもらえる」価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は自分が成績がいいことや東大生であることを隠そうとするのです>

<東大には今でも東大女子が実質的には入れず、他大学の女子のみ参加を認める男子サークルがあると聞きました。私が学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月に東京大学男女共同参画担当理事・副学長、松木さんの名前で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告が出ました。これまであなたたちが過ごしてきた学校はタテマエ平等の社会です。偏差値競争に男女差はありません。が、大学に入る時点ですでに隠れた性差別は始まっています。社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東大もまた、例外ではありません>

スタジオに戻ると、坂上さんから祝辞についての印象を聞かれたのは、東大出身者の石井さんでした。

石井さんは、高校時代に行った塾の英語講師が、<「女は所詮、子どもを産む機械だから勉強なんかしなくていいんですよ」>と言ったことに驚愕したエピソードを明かしました。だからこそ、祝辞内容のような<概念はあるし、私の世代ではそんな親御さん少なくなってるとは思うんですけど、まだまだ残っているのかな>と話しました。

同じく東大出身の木村さんも、<東大に入ってからわかったことも多くて、そういう意味で共感できる言葉がすごく多かった>と続けました。

そして東国原さんです。

<上野先生らしい、骨のあるスピーチ>と前置きしつつ、疑問点を挙げました。まず男女の進学率について、<息子は大学まで、娘は短大まで、と断言されている>から、どれくらいの親がそうした考えなのかといった<データがほしい>と所望。

さらに、女性が進学時に<本人の意志もあるんじゃないか>と、看護師や保育士などを例に挙げ、<そういう方は4年制大学は捨てると思うんです。そういう調査もした結論なのか、先生にうかがいたい>としました。

次に、東大に通う女性の実態について言及。まず坂上さんが吉田さんに、東大女性に対しての気後れを問うと、<僕は逆に興奮します>とひと笑い。小杉さんは、<何言っても見透かされてるんやろな>と率直な被害妄想を話しました。

その後、一部サークルの実態について石井さんと木村さん、八田さんがコメントで解説。さらに番組が独自取材したという東大女性のネガティブな体験談を並べると、石井さんも、芸人になってからの経験を明かします。とある構成作家から、<「顔芸だけで笑わせようなんて甘いよね。きみ東大なんだ? 東大だから自分を捨てきれてないんだね」>と言われたといいます。

それを受けた坂上さんは、自身が中卒であることを前提とし、<逆もある>と、こう続けます。

<東大の人って東大に入れるって稀なわけじゃん。100%秀でてるものがあるから入れてるわけ。それはそれでなんと揶揄されようが、自信は揺らがないって俺なんかは思っちゃうわけ>
<東大にも入れてない人間からしたら、そこらへんは別に、そんなに気にすることでもないんじゃないって思うんだけど>

さらに木村さんが、名前で呼ばれずに「東大」と呼ばれることへの切なさを吐露すると、

<「東大」って呼ばれるのと、「中卒」って呼ばれるのだったら、「中卒」のほうがしんどくない?>

と、同意を求めると、思わず石井さんは、呆れるように顔を崩してしまうのでした。その直後です。

<贅沢な優越感ですよ>

東国原さんが言います。

<東大はそういう存在なのよ。それは受け入れて生活しないとね。だから、ノブレス・オブリージュって考え方あるよね。あれは高飛車な上から目線だと思ってるんですよ。でもあの人たち思ってないんだよね>

<努力して上に立った人間は恵まれない人を助けなさいって上野教授も言ってますよ。あれは上から目線なんですよ>

<ふざけんなおまえら、たかが東大じゃねえかって話ですよ。世界で偏差値47位ですよ? おまえんとこはそんなに偉いのかと僕は思ってますからね。これも僕は嫉妬なんです。でもそういうことを言われるって百も承知で生活しなきゃいけないんです彼らは>

そして坂上さんが、まとめるように、<学歴があろうがなかろうが、そういった差別は、どの立場であれある>として野々村友紀子さんに水を向けると、<ありますよね>と同意し、<そんなんわかってて入ってんのやろ? そんなん言われたくて入ってる人もいるやろうし、そこはいいんじゃないかな>と続ける最中、石井さんは、首を横に降っていました。

そして石井さんは、<入るまではわかってない>と反論。<その大変さを知るのは、大学入って外の世界に出始めてから>と言います。

それに東国原さんは、<中学高校から選民意識があるよ><全体でトップだって思ってるだろ>と応戦します。さらに坂上さんも、<そこに入ったんだから、選ばれた人間でありそれだけの能力があった方々ってのは、持ってて当然だと僕は思う>と乗っかると、石井さんはこう言います。

<当然です…ね。だから世の中から嫌われてネチネチ言われてもしょうがないんだなっていうのは、大人になって徐々に理解するようになりましたけど、ね!!>

おそらく多くの視聴者が気付いたはずです。石井さんの<ね!!>に怒りがこもっていたことと、そしてこれが、真昼間の生放送で行われている“差別ショー”だということに。

直後、CM入り前、榎並アナがとぼけた声でこう言うのでした。

<「頑張っても公正に報われない社会が待っています」。一体どういうことなんでしょうかあ?>

……い、いやいや、いま! いまーー! いまじゃんいまいま! これがまさに視聴者が見せつけられた「東大生が頑張っても報われない社会」じゃんか!!

さすが『バイキング』、お茶の間に差別の実態を見事演じてくれたのです。ただひとつ、うっかりミスでしょうね、<※これが上野教授が話した、「頑張っても報われない社会」の一例です>とのテロップが抜けていたことが気になりましたけども。

坂上さんは、「差別はある」と断言しました。

ここで、現役の東大教授・安冨歩さんの言葉を、『大島薫対談集 贅沢なカラダ』(笠倉出版社)から抜粋、紹介します。

安冨さん自身も、<「白い眼を向けられる」という経験は、私のような中産階級の出身で、京都大学を卒業して東京大学で教授をやっている「男性」に向けられることは、まずないんですね。女性の場合、東大や京大に入るだけで白い眼を向けられたりすることもあります>と実感を持ちつつ、50歳から女性装をしはじめてから「白い眼を向けられるようになった」ときの経験を、こう語ります。

<最初はそれを、「男性が男っぽいまま、女性の服を着ているからかな」と思っていたんです。でも、「そうではない」ということに気づいた。だって、もしそうだとしたら、全員が白い眼を向けるはずですから。でも、向けない人もいるわけです。ということは、「『白い眼を向けたい人』が、あらかじめ一定数存在する」ということがわかったのです。白い眼を向ける人、イコール「差別する人」ですが、そういう人にとってだけ「安冨はおかしい人」であって、差別をしない人にとっては「安冨は普通の人」なんです>

<彼らは、なんらかのきっかけがあれば、白い眼を向ける用意のできている機械です。そのきっかけは、ユダヤ人でも中国人でも朝鮮人でもいいんです。黒人でも女性でもなんでも>

安冨さんは、「差別はある」というよりも、「差別する人がいる」のだと身をもって経験しました。

それでも坂上さんは「差別はある」と言い張るのでしょうか。東国原さんは、「差別されて当然」だと唾を飛ばすのでしょうか。

なかなかごっつい番組が、ウキウキウォッチングできていた『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)の後に放送され続けているようです。 

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